日本の住宅の平均寿命は30年足らずとなっています。次の世代へと受け継ぐべき地球環境の観点からも、作っては壊すという現在の住まいづくりは、多くの問題を抱えています。
当事務所では、骨太な国産木材を使用した在来軸組工法によるすまいづくりをおすすめしています。骨太木材による「すまいの骨格」には、木材が育つ期間である60年以上の耐久性を追及しており、木材資源の循環が可能となります。さらに、在来軸組工法による丈夫な「すまいの骨格」は、将来のプラン変更や、経年劣化に伴う仕上材や設備などの更新容易性からも優れています。
また、地球温暖化など取り組むべき課題は、すまいづくりにおいても同じです。すまいをつくる場所が持つ、「風の流れ」や「陽の差込み」など、自然環境を最大限に活かした設計を心がけ、エアコンだけに頼らない住空間を目指しています。
住宅などの小規模建築物においては、構造に関する検討を省略している住宅が多数存在しています。
当事務所においては、意匠(デザイン)と構造を同時に考え、シンプルな架構による住空間を生み出す事を目指しています。構造的な安全なしでは、日々の生活における安心もありえません。
また、「住まい手」「施工者」「設計者」の役割分担を明確にし、施工段階でのチェック体制を明確にし、欠陥住宅をつくりません。
◆構造についての考え方
〇建築基準法の1.5倍の耐力壁を確保
〇床面における水平剛性の確保
〇柱や梁の接合部を伝統的仕口継手と金物の併用により緊結
〇なお、別途検討が必要場合は構造専門の事務所に協力依頼します
住宅は個人の資産であると同時に、まちの中に存在する社会資産でもあると考えています。住まい手の要望を実際の空間へとつくりあげていくだけでなく、都市の中で、社会の中で、活力を持ち続けられる建築をつくることを、当事務所は心がけています。
「都市のことや社会のことを考える!」と言うと難しく感じられますが、隣近所との住環境を良好に保ちながら、奇抜ではないオンリーワンな住まいを、住まい手と共につくることが当事務所のできる仕事だと考えています。